寺井 洋平 助教

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研究室ウェブサイト: http://adaptive-speciation.com/

適応と種分化の機構・分子進化生態学

現在地球上には300万~500万ともいわれている生物の「種」が生息しています。そしてこの膨大な数の生物が異なる生態、形態をもち、お互いに相互作用することによって生物の多様性を作り出しています。それでは、このような生物多様性はどのようにして生まれてきたのでしょうか?たくさんの種が生じるためには1つの種が2つの種に分かれる過程、「種分化」を繰り返し起こすことが必要です。そして種分化を進化の歴史の中で数限りなく繰り返すことによって、現在の生物多様性は生まれてきたと考えられています。しかし、実際に種分化がどのようにして起こるのかはよくわかっていませんでした。私はこれまでに多くの生物を用いて、適応と種分化がどのようにして起こってきたのかを研究してきました。その1例がシクリッドを用いた研究です。水中に届く光の成分は深さや濁りなどによって場所ごとに異なりますが、シクリッドは種ごとに生息環境の光成分に視覚を適応させていました。また、シクリッドは雄の繁殖期の体色を雌が視覚で認識することによる雌雄間の情報伝達によって繁殖を行います。そしてこの雌雄間の情報が視覚の適応により分化すると種分化が起こるという種分化の機構を、これまでに明らかにしてきました。この研究では環境への適応が種の分化を引き起こしています。現在は1)様々な生物が環境にどのように適応しているかを分子と環境測定により、 2)環境への適応がどのように種分化や種の多様化を起こしているかについて明らかにしようと研究を進めています。

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代表的な論文、著書等

  1. Malinsky M, Challis RJ, Tyers AM, Schiffels S, Terai Y, Ngatunga BP, Miska EA, Durbin R, Genner MJ, Turner GF. Genomic islands of speciation separate cichlid ecomorphs in an East African crater lake. Science, in press (2015)
  2. Takahashi-Kariyazono, Y Satta, Y Terai Genetic diversity of fluorescent protein genes generated by gene duplication and alternative splicing in reef-building corals Zoological Letters, 1:23 (2015)
  3. Kuroiwa A, Terai Y, Kobayashi N, Yoshida K, Suzuki M, Nakanishi A, Matsuda Y, Watanabeb M, Okada N. Construction of chromosome markers from the Lake Victoria cichlid Paralabidochromis chilotes and their application to comparative mapping. Cytogenet. Genome Res. 142: 112-120 (2014)
  4. Miyagi R, Terai Y. The diversity of male nuptial coloration leads to species diversity in Lake Victoria cichlids. Genes & Genetic Systems 88: 145-154 (2013)
  5. Miyagi R, Terai Y, Aibara M, Mizoiri S, Sugawara T, Imai H, Tachida H, Okitsu T, Wada A and Okada N. Correlation between Nuptial Colors and Visual Sensitivities Tuned by Opsins Leads to Species Richness in Sympatric Lake Victoria Cichlid Fishes. (2012) Mol Biol Evol. 11: 3281-3296.
  6. Terai, Y., Okada, N. Speciation by sensory drive in cichlid fishes in “From genes to animal behavior: social structures, personalities, communication by color” (2011) (Miho Inoue-Murayama, Shoji Kawamura, Alexander Weiss eds.)
  7. Seehausen, O, Terai, Y., Magalhaes, I. S., Carleton, K. L., Mrosso, H. D. J., Miyagi, R., van der Sluijs, I., Schneider, M. V., Maan, M. E., Tachida, H., Imai, H. Okada, N. Speciation through sensory drive in cichlid fish. (2008) Nature, 455, 620-626.
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