鈴木 和歌奈 助教

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研究室ウェブサイト: http://www.wakanasuzuki.net
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科学技術の人類学・科学技術論(STS)

現代社会において、科学技術は実験室に閉じたものではなく多様な形で社会、文化、政治、経済に影響を与えています。それと同時に、科学技術もまた社会の動向や経済、政治のあり方に大きく影響を受けます。科学技術の人類学は、こうした科学と社会の相互作用を「エスノグラフィー」という手法を用いて探求する研究分野です。エスノグラフィーとは、調査者自身が経験することを通じて他者を理解する手法です。科学技術の人類学者は、科学の営みを理解するために、実験室に何度も通って科学者の行動を観察したり、科学政策の関係者や科学技術のユーザー(患者など)にインタビューをしたりします。これらのデータを、文化人類学、社会学、哲学、科学史などの概念や理論と照らし合わせて分析します。

これまでの研究では、幹細胞研究の実験室に張り付いて、再生医療技術を生み出す科学者の知識生産や技術開発プロセスを記録してきました。そこでは、科学者がどのように細胞や実験動物などの「生きているテクノロジー」を使って新しい技術や知識を生み出しているのかに焦点を当ててきました。

今後、新しいテーマとして、人新世における「人間と微生物の関係」を探求して生きたいと思っています。マイクロバイオーム研究などの先端の生命科学研究に注目しながら、人々の日常生活における微生物と人間の関係に着目します。味噌づくりやぬか漬けなどを通じた食の見直しや、コンポストやバイオトイレの開発に注目しています。環境変動の時代に人々は、微生物の力をどのように借りて、新しい生活様式を作り出すのかを探求する予定です。

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代表的な論文、著書等

  1. Suzuki, W. (2021). Improvising care: Managing experimental animals at a Japanese laboratory. Social Studies of Science, (Online First) https://doi.org/10.1177/03063127211010223
  2. 鈴木和歌奈. (2020). 実験室から 「相互の係わりあい」 の民族誌へ: ポスト-アクターネットワーク理論の展開とダナ・ハラウェイに注目して. 年報科学・技術・社会, 29, 3-29.
  3. Morita, A., & Suzuki, W. (2019). Being affected by sinking deltas: changing landscapes, resilience, and complex adaptive systems in the scientific story of the Anthropocene. Current Anthropology, 60(S20), S286-S295.
  4. Sleeboom-Faulkner M, Chekar CK, Faulkner A, Heitmeyer C, Marouda M, Rosemann A, Chaisinthop N, Chang HC, Ely A, Kato M, Patra PK, Yeyang S, Suli S, Suzuki W, Zhang X. (2016). Comparing national home-keeping and the regulation of translational stem cell applications: an international perspective. Social Science & Medicine, 153, 240-249.
  5. Suzuki, W. (2015). The care of the cell: onomatopoeia and embodiment in a stem cell laboratory. Nature Culture, 3, 87-105.
  6. 鈴木和歌奈. (2014). iPS 細胞研究初期における期待の発生: 言説, 物質性, 実践のダイナミクス. 年報科学・技術・社会, 23, 1-30.
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