蔦谷 匠 助教

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研究室ウェブサイト: https://sites.google.com/view/anthr/
Google Scholar Citations: https://scholar.google.com/citations?hl=ja&user=7QGRI8wAAAAJ
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自然人類学・霊長類学・生物考古学

わたしたちはみんな一回限りの人生を生きており、それぞれの人生に物語があります。もし、自分が縄文時代の狩猟採集民や、熱帯雨林に暮らすチンパンジーとして生まれていたら、どのように生まれ、成長し、子供を産んだりして、亡くなっていったでしょうか? 私は、そうしたいろいろな「わたしたち」(ホモ・サピエンスや進化的に近しい種) の生きざまやライフヒストリーを復元してきました。さらに、文化や自然環境が個体に与える影響を調べ、進化適応や社会情勢にどう影響していくのかを明らかにしています。

具体的には、食性や授乳・離乳歴や生息環境を復元できる安定同位体分析や、生理状態や由来する生物種・体組織を推定できるプロテオミクス分析を生物試料に応用し、過去の人類や、現生の霊長類の生きざまを主に調べています。また、そのための分析・解析手法も開発しています。しかし、対象やアプローチに縛りはありません。霊長類以外の脊椎動物の生きざまを調べたり、現代人に対して社会学的インタビューを実施したりもします。アプローチはフィールドワークからラボワークまで多岐にわたります。発掘や野生動物の調査に参加して試料やデータを集めたり、実験室で前処理をして分析をしたり、データ解析をしたり、プログラムを書いて数理モデルを構築したり、さまざまな分野を横断する文理融合の研究です。

これまでに、縄文から江戸時代までの過去の日本列島での授乳・離乳習慣の復元 (生物考古学)、野生チンパンジーやオランウータンの食性分析 (霊長類生態学)、現代人の子育てにおける進化的な特徴と社会文化環境の影響のせめぎあい (生物と文化のミスマッチ) などを研究してきました。

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代表的な論文、著書等

  1. Tsutaya T, Meaghan M, Koenig C, Sato T, Weber AW, Kato H, Olsen JV, Cappellini E. (2019).
    Palaeoproteomic identification of breast milk protein residues from the archaeological skeletal remains of a neonatal dog.
    Scientific Reports 9: 12841.
  2. Tsutaya T, Shimatani K, Yoneda M, Abe M, Nagaoka T. (2019).
    Societal perceptions and lived experience: infant feeding practices in premodern Japan.
    Journal of Physical Anthropology 170: 484–495.
  3. Tsutaya T, Yoneda M. (2015).
    Reconstruction of breastfeeding and weaning practices using stable isotope and trace element analyses: a review.
    Yearbook of Physical Anthropology 156: 2–21.
  4. 蔦谷匠. (2017).
    授乳・離乳から見据える生物と文化の齟齬.
    現代思想 45-12 (2017年6月号): 115–127.
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