沓掛 展之 教授

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研究室ウェブサイト: https://sites.google.com/site/sokendarwin/

進化行動生態学・動物行動学

動物を観察していると「動物はとどんな暮らしをしているのだろうか?」「動物は何を考えているのだろうか?」など の多くの疑問が生じる。私は、動物の行動や生態を分析することによって、動物の「生き様」を進化生物学的に理解することを目指している。これまで哺乳類を中心として、鳥や魚などの脊椎動物を対象に研究を行ってきた。具体的には、野生動物が生息するフィールドに滞在し、それぞれの個体に名前をつけて、彼らの行動を日々記録するという地道な作業を行う。データを積み重ねることによって、 動物の社会がどのように成り立っていて、それぞれの個体の行動にはどのような意味があるのかを理解することができる。長野のニホンサザル、タンザニアのチンパンジー、カラハリのミーアキャット。研究してきた動物一頭一頭の姿や振る舞いは、今でも鮮明に思い出すことができる。研究対象が夢に出てくるほど研究対象をじっくりと観察することが、動物を理解する王道であると思う。 その一方で、自分の研究対象にとらわれる事なく、多くの動物に共通して当てはまる理論を考える事が、動物を理解 するうえで効率的な戦略である。現在の進化行動生態学は、 自然誌(ナチュラルヒストリー)や古典的動物行動学の成果に、一般的理論からの予測と検証が加わって美しく発展してきた。この分野の発展に貢献するような一般的理論を発見できれがと考えている。

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代表的な論文、著書等

  1. Mizuno K, Irie N, Hiraiwa-Hasegawa M, Kutsukake N. 2016. Asian elephants acquire inaccessible food by blowing. Animal Cognition.
  2. Takeda FK, Hiraiwa-Hasegawa M, Kutsukake N. 2015. Arch displays signal threat intentions in a fission-fusion flock of the red-crowned crane. Behaviour, 152: 1779-1799.
  3. Hasegawa M, Kutsukake N. 2015. Bayesian competitiveness estimation predicts dominance turnover among males in wild chimpanzees. Behavioral Ecology and Sociobiology 69: 89-99
  4. Kutsukake N, Innan H. 2013 Simulation-based likelihood approach for evolutionary models of phenotypic traits on phylogeny. Evolution 67: 355-367
  5. 沓掛展之・古賀庸憲 2012「行動生態学」共立出版
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