教員一覧

統合人類学分野
沓掛 展之 本郷 一美 蔦谷 匠
行動生物学分野
木下 充代 渡邊 崇之
進化生物学分野
颯田 葉子 大田 竜也 田辺 秀之 五條堀 淳 寺井 洋平
理論生物学分野
佐々木 顕 印南 秀樹 大槻 久
科学と社会分野
飯田 香穂里 大西 勇喜謙
共同機器担当
松下 敦子

統合人類学分野

沓掛 展之教授

進化行動生態学・動物行動学

哺乳類、他の脊椎動物の行動・生態を研究しています。動物はどのような社会を作っているのか?社会のなかで個体はどのように行動するのか?何を考え、何を伝え合っているのか?野生動物を対象とするフィールドワーク、動物園や飼育動物を対象にした行動観察によって、 動物の「生き様」を理解したいと考えています。また、多様な表現型を生み出す進化のプロセスについても興味を持っています。

詳しい研究内容

本郷 一美准教授

環境考古学(動物考古学)・先史人類学

トルコ南東部、シリア、イラン、ヨルダンなどで遺跡から出土する動物骨を分析し、動物利用の変化、家畜化の過程を研究している。主な研究テーマは、紀元前1万年頃に定住集落が形成され、紀元前8000頃までに野生動物の狩猟から偶蹄類の飼育へと生業が変化し、紀元前6000年頃に農耕牧畜経済が確立するまでの過程を明らかにすることである。モンゴル、中国、ベトナムなどでも調査を行っている。日本国内では長野県の縄文~弥生時代の岩陰遺跡を発掘している。

詳しい研究内容

蔦谷 匠助教

自然人類学・霊長類学・生物考古学

人類や霊長類の多様な「生きざま」を研究しています。江戸時代のヒトや熱帯雨林のオランウータンは、どのような環境や文化のもとで、どのように生まれ、成長し、繁殖し、亡くなっていったのか、そしてそれが生物の進化にどうつながったのか? そうしたことを、主に理化学的な手法(安定同位体分析やプロテオミクス分析)で明らかにしています。対象やアプローチは文理融合的で多岐にわたり、フィールドワーク、実験、数理解析などを利用します。

詳しい研究内容

行動生物学分野

木下 充代准教授

神経行動学・生理行動学

ひとつの同じ環境中に住んでいても、それぞれの動物が知覚している世界は違っています。私は、動物の知覚している世界はどのようなものか、それが脳の高次でどのように表現されているのかといった問題に興味があります。研究室では、求蜜行動中のチョウの知覚世界とその背景にある神経の仕組みを、行動または神経科学的実験によって調べています。とくに、花の持つ様々な形質とチョウの知覚世界との関係に迫りたいと考えています。

詳しい研究内容

渡邊 崇之助教

昆虫脳を対象とした神経進化発生学

昆虫は、変態期における神経回路の構造的・機能的再編成を経て成虫としての神経系を獲得し、配偶行動などの成虫特異的な行動を示すようになります。当研究室では、昆虫の変態様式の進化に伴う脳・神経回路の発達様式の進化に着目し、コオロギなどの原始的な不完全変態昆虫を材料に、脳内に存在する性的二型神経回路に着目した神経発生学研究や、闘争行動や配偶行動などの性特異的な社会行動に着目した神経行動学研究を進めています。

詳しい研究内容

進化生物学分野

颯田 葉子教授

進化生理学・ゲノム遺伝学

“生き物らしさ”は長い時間をかけて生物が現在の環境に適応することで出来上がってきました。その適応の歴史は生物のゲノムに描かれています。五感を司る遺伝子の進化、ウイルスや細菌への防御を司る免疫系の進化、疾病に関わる遺伝子の進化、ヒトの精神活動を支える遺伝子の進化、家畜化のプロセスなど、様々な生物の生理学的特性を生み出す遺伝的基盤を生物のゲノムや転写産物の比較から明らかにしていくことを目指しています。

詳しい研究内容

大田 竜也准教授

分子進化学・生物システム進化学

生殖や免疫はそれぞれの種の存続に大きく関わる生物システムで自然界には多様な分子メカニズムをもったものが存在する。様々な生物システムが生みだされる進化機構を解明することを目的に、タデ科植物における生殖システム(例、ソバの異型花型自家不和合性)や脊椎動物における免疫システム(例、魚類の適応免疫や自然免疫)の分子進化を中心にした研究活動を行っている。

詳しい研究内容

田辺 秀之准教授

分子細胞遺伝学・染色体ゲノム進化学

細胞核における染色体テリトリー・遺伝子領域の空間配置がどのような仕組みで制御されているのか、分子細胞生物学的なアプローチにより探っています。ヒトを含む霊長類、脊椎動物を対象にした各種由来の培養細胞を用いて、マルチカラーFISH法、3D-FISH法、マイクロダイセクションによる染色体顕微切断法などを駆使し、染色体の構造と機能、染色体再編成やゲノム進化のプロセスについて理解したいと考えています。

詳しい研究内容

五條堀 淳講師

自然人類学・分子進化学・集団遺伝学

ヒトの祖先は600~700万年前にチンパンジーとの共通祖先から分岐しました。また、ヒトはアフリカ発祥ですが現在は地球上に様々なところに住んでいます。ヒトは他の生物と同じく環境に適応して現在まで生き残っていますが、どのような遺伝子がヒトの適応に関わってきたのかについて、ヒトと近縁の霊長類を比較することで、あるいはヒトの様々な集団を比較することで解明を試みます。

詳しい研究内容

寺井 洋平助教

適応と種分化の機構・分子進化生態学

地球上には数多くの生物の種がお互いに関わりながら、生物の多様性を作り出しています。 当研究室では、生物の多様性がどのようにして創り出されてきたかを明らかにしようと研究を進めています。 そのために種が分かれ多くの種を生じる過程(種分化)と種が適応する過程をゲノムから、遺伝子発現、 タンパク質の機能、個体と環境との相互作用まで幅広く研究しています。どのような生物を現在研究しているかはwebページをご覧ください。

詳しい研究内容

理論生物学分野

佐々木 顕教授

数理生物学・理論進化学

宿主体内での病原体の増殖戦略、性の数の進化、性と組み換えの進化、環境変動下の両賭戦略 、 病原体と宿主の共進化動態、有限集団における協力の進化、疫学動態とワクチン政策、病原体の抗原連続変異、ミューラー擬態、共進化の地理的同調・非同調、種詰め込み理論、制限酵素認識配列の進化、インフルエンザウイルスの進化・流行予測、いもち病病原体の進化予測と防除などのテーマについて数理モデルをもとに研究しています。

詳しい研究内容

印南 秀樹教授

集団遺伝学・ゲノム進化学

生物が進化するには、その設計図であるゲノムが進化することが必要です。本研究室では、ゲノム進化のメカニズムを解明するために、集団遺伝学の理論構築とゲノムデータ解析を行います。種は問わず、様々な進化的シチュエーションを理論的に理解し、その中からゲノム進化の一般性を考えます。一般性が問えるのは、すべての種で遺伝の法則が同じであるからであり、そこが遺伝学をベースとして進化を考えることの魅力です。

詳しい研究内容

大槻 久准教授

数理生物学・進化ゲーム理論

生物の持つ社会性がどうやって進化しどのように維持されているかを、理論モデルを使って明らかにしています。例えば血縁淘汰、直接互恵性、間接互恵性、罰や報酬といった様々な観点から利他行動の進化的起源を調べています。またヒトの生活史戦略の進化、学習の進化、遺伝子と文化の共進化等のテーマにも興味を持っています。研究道具は数学とコンピュータで、ウイルスや細菌からヒトを含む哺乳類までどんな種でも研究対象です。

詳しい研究内容

科学と社会分野

飯田 香穂里准教授

科学史

科学は、社会とどのような関係をもって発展してきたのでしょうか? 科学史・STSの研究領域では、社会の営みの中における科学知識の生産・利用等さまざまな側面について分析します。私の現在の主な研究分野は日本の遺伝学史です。1920年代から1960年代にかけて、日本の近代化、戦争、米軍占領、冷戦等の社会背景の中、遺伝学がどのように発展し、遺伝学的知識がどのように社会で使われたのかに興味があります。
「科学と社会」教育プログラム: http://sas.soken.ac.jp

詳しい研究内容

大西 勇喜謙講師

科学哲学

哲学者は古代から,この世界がどのようなものか,また世界に関する知識とはどのような性質のものなのか,といったことを考えてきました。科学はおそらく,世界に関する知識を得るための現在最良の手段ですから,哲学者にとっても非常に興味深い活動です。科学哲学では,各理論の含意する世界像や各分野における方法論,証拠による確証のあり方など,多様な観点から科学に関する分析を行っています。
「科学と社会」教育プログラム http://sas.soken.ac.jp

詳しい研究内容

共同機器担当

松下 敦子講師(共同利用機器担当)

微細神経解剖学

昆虫などの脳神経回路を形態学的に調べています。神経情報の質と量は、シナプスの形や数など様々な形態的要素で決まります。これらは、微細形態から初めて具体的な数値として得られ、回路機能の実体に迫ることができます。また私は、種同士を比較することで、例えば色覚の神経回路の多様性と普遍性に迫ろうとしています。*共同利用機器(透過・走査電顕、共焦点レーザー顕微鏡)の技術支援を担当しています。
共同利用研究設備