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研究室ウェブサイト: https://sites.google.com/site/sokendaisasaki/
個人ウェブサイト: http://bio-math10.biology.kyushu-u.ac.jp/~ohtsuki/
飢餓状態に陥ったキイロタマホコリカビでは,一部の個体が自己犠牲的に長い柄となり仲間の分散を助けます。アリやハチなどの社会性昆虫の多くでは,女王が繁殖を担当しワーカーは労働に徹します。ヒトでは互恵性が社会の基盤を成しています。このように協力は生物界で普遍的に見られますが,自らはコストを支払わずに協力の恩恵のみを享受する「裏切り者」の存在のため,協力の進化的起源は自明ではありません。数理モデルを用いてこの起源を理論的に明らかにしています。具体的には細菌の血縁認識,アリコロニーの動的最適化,包括適応度理論の一般化,集団構造と進化動態,ヒトの間接互恵性,罰や報酬の進化,霊長類の資源分配と提携形成,順位制の進化などのテーマを扱います。その他,動物行動,生態系,社会ネットワーク,化学進化,発がんプロセスのモデリングにも取り組んでいます。進化ゲーム理論自体の基礎研究も行っています。手計算やコンピュータシミュレーションの手法をしっかり身につけた人材の育成を目指しますので,予備知識よりもむしろ,新しい事に努力を厭わず積極的に取り組める学生を歓迎します。